肘関節の後方脂肪体について~超音波エコーから運動療法を考える~

今回は、肘関節の後方脂肪体について調べてみました。

 

関節可動域制限の1つの要因であることがわかりました。筋や靭帯の問題だけではなく選択肢の一つとして考えていく必要があります。

 

脂肪体は、他にも色々な場所にあり、これが動いているかどうか視覚的に確認するにはやはりエコーは重要だと思った今日この頃です。

 

  • 後方脂肪体

まずは、脂肪体周辺の解剖です。

 

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後方の脂肪体が硬くなったり、動かなくなると肘関節伸展の可動域制限や痛みに繋がっていきます。

 

  • 上腕三頭筋

上腕三頭筋の関係もみなければ、ならないので解剖をチェックします。

 

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①長頭:

起始:肩甲骨(関節下結節)

停止:尺骨の肘頭

 

②内側頭

起始:上腕骨の後面、内側筋間中隔

停止:尺骨の肘頭

 

③外側頭

起始:上腕骨の後面、上腕骨の外側上顆

停止:尺骨の肘頭

作用:肘関節の伸展、長頭は上腕の後方挙上と内転

肘関節の伸展と安定

 

ここで重要なのは、内側頭です。

 

  • 超音波エコーの画像は?

 

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肘関節が屈曲から伸展になったときに、脂肪体がニュルっとでてくることが分かります。

 

この運動のイメージはインピンジメントを考える上で重要です。

 

  • インピンジメントとは?

肘頭の進入に伴い背側近位へ移動すべき脂肪体が、何らかの原因により移動できない状況となります。

 

原因としては、後方脂肪体が背側近位へ移動できない状態にあることが多いようです。

 

すなわち上腕三頭筋内側頭の硬さや癒着が移動スペースを閉鎖してしまうことで、後方脂肪体の移動が制限され、後方のインピンジメントが生じてしまいます。

 

  • 運動療法は?

①脂肪体の問題かどうかを確認します。

脂肪体の硬さを確認して、硬いと判断した場合は柔らかくする必要があります。

 

②移動経路を広げる。

そのためには、上腕三頭筋内側頭の柔軟性の改善と癒着剥離になります。

後方の関節包ごと直接近位へ引き込ませることや内側頭の収縮前に内側頭を上腕骨から引き上げる操作が必要になります。

またエクササイズとしても内側頭の自動運動収縮運動が必要になります。

 

 

簡単にまとめてみましたが、エコーと運動療法を絡ませると機能解剖学の勉強になり、とても面白いです。

 

 

視床の機能解剖

前回は視床の解剖について調べてみました。

 

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今回は、視床の機能について調べてみました。

 

まずは、場所を確認します。

 

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機能についてですが、

後腹側核(VP)

体性感覚を中継する。後外側腹側核は四肢・体幹の体制感覚を担い、後内側腹側核は、顔面・頭部の体性感覚を担う。

前方部分には内側毛帯から固有感覚と触覚が入力され、後方部分には外側脊髄視床路から温痛覚が入力される。

後腹側核からは、視床皮質路を通り、体性感覚野に出力する。

 

外側腹側核(VL)

前方部分は、運動野・運動前野・補足運動野からの情報が、被殻・淡蒼球を経由して入力され、再び運動野・運動前野・補足運動野に出力することで、基底核ネットワークの筋骨格運動ループを形成し、筋緊張の調節に関与する。

後方部分は運動野・運動前野・補足運動野からの情報が小脳中部・中間部を経由して入力され、再び運動野・運動前野・補足運動野に出力することで、小脳ネットワークの運動ループを形成し、協調運動の制御に関与する。

 

※特にこの場所は、運動のFeedforwardがうまくいかなくことがあり、行っている運動の実感がなく、正解がわからないので同じ運動を繰り返しても中々上達しない、うまくいっている実感が湧かないなどの学習への弊害がみられることがあります。

 

前腹側核(VA)

外側腹側核の前方部分と同様の入出力経路をもち、筋緊張の抑制に関与する。前頭前野からの情報が尾状核・淡蒼球を経由して入力され、再び前頭前野に出力することで基底核ネットワークの前頭前野ループを形成し、遂行機能や動機づけに関与する。

 

※VA核が損傷すると、脱抑制の障害がみられ、フットレストを上げずに動き出してしまうなどの症状がみられると考えられます。

 

前核(A)

記憶に関与する。乳頭体・海馬から入力され、帯状回後部に出力する。

 

外側膝状体(LG)

視覚を中継する。網膜から視覚情報が入力され、後頭葉の視覚野に出力する。

 

内側膝状体(MG)

聴覚を中継する。蝸牛から聴覚情報が入力され、側頭葉の聴覚野に出力する。

 

背外側核(LD)

記憶に関与する。他の視床亜各から入力され、帯状回後部に出力する。

 

後外側核(LP)

空間認知・姿勢定位に関与する。他の視床亜核・視覚野・聴覚野・体性感覚野から入力され、頭頂連合野に出力する。

 

背内側核(DM)

認知機能や情報の制御、動機付けに関与する。前頭前野からの情報が尾状核・淡蒼球を経由して入力され、再び前頭前野に出力することで基底核ネットワークの前頭前野ループを形成し、遂行機能や動機づけに関与する。

また前頭前野からの情報が小脳が経由して入力され、再び前頭前野に出力することで小脳ネットワークの認知ループを形成し、認知機能に関与する。

 

視床枕(P)

視覚・聴覚・体性感覚の統合と記憶に関与する。他の視床亜核・頭頂後頭連合野に出力する。

 

正中中心核(CM)

大脳皮質の覚醒に関与する。中脳網様体からの入力され、大脳皮質に広範に出力する。

 

視床は脳全体の中では、大きい方ではありませんが、たくさんの機能が存在するので、確認しておきましょう。

視床の解剖について

最近、視床出血の方のリハビリを行っています。

 

視床の病態は結構たくさん出会うことが多いかと思います。

 

しかし、大まかな病態像としては比較的随意性はよいが、感覚障害が強く、感覚性の失調を伴うとったざっくりとしていた理解でした。しかし、障害部位によっては、症状も全然違うことや細かい評価をするにあたってもっと病態は知る必要があるな~と感じました。

 

そのため、今回は視床について調べてみました。

 

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視床は、大脳皮質への中継核として機能しています。

 

そして、視床の中にさらに線維結合として分類があることが分かります。

 

 

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しかし、これを見ると他にも様々なネットワークがあるとがわかります。

 

分類としては、こんな感じです。

背側視床

特殊核(中継核)

外側膝状体

一次視覚野

内側膝状体

一次聴覚野

VPM/VPL核

一時体性感覚野

 

VA/VL核

一時運動野、運動前野

連合核

 

皮質連合野に出力

非特殊核

 

汎性視床皮質投射

視床網様核

 

視床内部の抑制性回路形成

腹側視床

視床下核、不確帯、フォレル野核

大脳基底核と関連

 

もう少し細やかにみていきましょう。

 

1.特殊核(8つ)

2.連合核(4つ)

3.非特殊核(2つ)

の3つに大別されます。

 

まずは、略称の場所を覚えておきましょう。

 

1.特殊核(8つ)

  • 後外側腹側核(Ventral posterior lateral nucleus;VPL)
  • 後内側腹側核(Ventral posterior medial nucleus;VPM)
  • 腹側中間核(Ventral intermediate nucleus;Vi.m.)
  • 外側腹側核(Ventral lateral nucleus;VL)
  • 前腹側核(Ventral anterior nucleus;VA)
  • 前核(anterior nucleus;A)
  • 外側膝状体(lateral geniculate body;LG)
  • 内側膝状体(medial geniculate body;MG)

特定の神経核から強い入力を受け、特定の大脳皮質領域に出力するものです。

 

2.連合核(4つ)

  • 背外側核(lateral dorsal nucleus;LD)
  • 後外側核(lateral posterior nucleus;LP)
  • 視床枕(pulvinar;Pul)
  • 背内側核(dorsal medial nucleus;DM)

ある特定の神経核から強い入力を受けずに、大脳皮質連合野に出力するものです。

 

3.非特殊核(2つ)

  • 髄板内核(intralaminar nucleus;IL)
  • 網様核(reticular nucleus;RN)

ある特定の神経核から強い入力を受けずに、大脳皮質の広い範囲に出力するものです。

 

まずはざっくりと英語で表記されていることが多いので、どれが何なのかを覚えてきましょう。

 

次回は、細かい機能を調べていきたいと思います。

 

 

超音波診断装置 エコーを使いこなす秘訣

最近とっても良いことが起きました。

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それは、私の病院(リハビリテーション部)に中古品ですが超音波診断装置(エコー)が来ました。

 

やっとまちにまったものが届きました。

 

非常勤の着ていただいている先生がもう使っていないものがあるから、貸してくれました。

 

貸していただいた、お医者さんの先生にはとても感謝しております。

 

より一層エコー勉強に力が入る所です。

 

今回は、

 

「エコーを使いこなす秘訣」

 

すごく大々的なテーマですが、

 

運動器のエコーを撮像するシチュエーションはプローブを当てる時間もせいぜい2~3分で、素早く診断し治療戦略を組み、治療に進むため、迅速な速さが求められ、エコーの詳細な機能を使いこなす状況ではありません。

 

要は、とても時間がないことが、現場なのでエコー見るときの気にするポイントということです。その3つを紹介します。

 

  1. 周波数を合わせる
  2. フォーカスを合わせる
  3. アーティファクトを役立てる

 

  • 周波数を合わせる

エコーを撮像する周波数はプローブに埋め込まれている振動子によって決定します。

運動器エコーの対象となる構成体は約3cmくらいの深さにあるため、高い周波数(だいたい14~22MHz)が用いられます。

周波数は浅い場所は、高い周波数・深い場所は、低い周波数の感度の情報で画像構築しています。ただ人の体形によって、周波数の微調整が必要なため注意は必要です。

 

  • フォーカスを合わせる

超音波のフォーカスは、カメラのレンズによるフォーカスとは少し異なります。

エコーのモニターに表示される画像には縦、横にスケールが表示されている。

縦スケールの少し横に三角や四角のマークがフォーカスです。

 

小さい波は重なり合うことにより大きなうねりとなります。小さい2つの波が狙った場所でちょうど重なり合うように制御して波を発生させます。

これは微弱な超音波はより大きなパワーに変化するためのものです。

 

  • アーティファクトを役立てる

反射が強い境界面があると、その間で繰り返し反射が生じて、その反射情報をアーチファクトとして、生体に存在しない情報を画像上に示すことがあります。

超音波の特性によって生じる本来は、画像を読み解くためには「邪魔者」として扱われるが、特性をしっていれば、役に立ちます。

エコーガイド下で行う注射に役立つことが多いそうです。

注射の太さによっては、多重エコーの見え方が変わます。

 

コメットサイン:小さなギャップの場合、多重エコーによる現象は画像上に超音波の進んでいく方向に強く白い線としても出されます。これが、コメットサインと呼ばれている現象です。

運動器の構成体で組織の境界面で、強い反射を起こす代表的ものは、骨です。骨で起こる小さなギャップ、つまりX線にも出できない小さな骨折もコメットサインによって、その診断の補助して役立てます。

 

持っていないひとは、イメージしにくいかと思いますが、一生懸命勉強していきます。

 

 

 

運動療法のために~超音波診断装置とは?~

 

最近というか、今年度からずっと考えていることですが、自分が動かしているものは本当に自分が思っている筋肉を動かしているのか?

 

また本当によくなったものは、筋肉を動かしてよくなったのか?

 

別の組織ではないのか?

 

こんな疑問が出てきました。

 

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こんな疑問を解決するために、1つのツールを見つけました。

 

それは、

超音波診断装置

です。

 

俗にいうエコーです。

 

もしかしたら、物珍しくないという人もいると思いますが、結構調べていくと自分の中では、結構これはすごいと感動しました。

 

まだ自分で自由に使えるわけではないし、もっていないのでまだ空論ではありますが、いつか手に入れた時のために準備をしていきたいと思います。

 

今日は超音波診断装置の特徴やメリット・デメリットを述べたいと思います。

 

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見た目はこんなまがまがしいものですが、最近はスマホサイズのものもできており、だいぶスマートになって、気軽に持てるように時代が変わってきています。

 

 

 超音波診断装置(エコー)とは、超音波を送受信するプロープから超音波 (パ ルス波)を生体内に送信し、さまざまな組織境界面で反射して戻ってくるエコー信号(エコー波)をプローブにて受信することにより、その送信から受信までに要した時間および反射振幅の強弱を計測して、組織の断層画像を表示する。

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見え方をしてはこんな感じです。

 

見方は慣れないと、さっぱりわからないかもしれませんが、筋の深さや血管・神経が見えます。これで表面ではなく深くて触れない筋がどうなっているのかがわかります。


・特徴

  • 立体的に解剖を知ることができる
  • 筋の収縮や深い組織の動きをみることできる

ということです。

 

さらに動画を撮影することで、筋や腱の動態が観察できることです。これは、触診というきわめて主観的な方法でイメージしていた組織の動態を詳細かつ正確に可視化することができます。

 

・メリット

メリットとしては、他のX線検査やMRIと比較すると、無侵襲で行うことができる。

CTを持ちいると、被爆も怖い要因です。しかし、エコーには、それがありません。また高画質の画像を得ることができます。それも深い位置まで見えるということになります。

 

・デメリット

これは、エコーに限ったデメリットではありませんが、適切な操作を行わないと、良い画像が得られないということです(スキルが必要)。また得られた画像解釈が難しい。

 

簡単にエコーの説明をしてきましたが、運動器エコーの書籍はだいぶ増えてきたと思います。

 

普段は、脳卒中を中心にみている私ですが、あくまで見ているのは人なので、人の操作をする上では、解剖・運動学の知識は必須です。

 

この知識がないと、運動療法は成り立たないと思うので、しっかりと勉強していきたいと思います。

 

 

五十肩の病態の機序とは?

今回は病態の機序について、まとめていきたいと思います。

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まず病態のケースで共通するのは、肩関節前上方にある組織の損傷および第2肩関節の障害です。

 

 

この関節周辺の滑膜組織にはほぼ全例が炎症をしています。

また滑膜炎が肩峰下滑液包・腱板・腱板疎部・上腕二頭筋長頭腱などに波及すると、自発痛、疼痛性運動障害、夜間痛発症の引き金となります。

 

つまり、五十肩における痛みの組織とは、

  • 肩峰下滑液包
  • 腱板
  • 腱板疎部

 

などの上方支持組織に癒着・瘢痕化を伴った結果だと思われます。

 

上記の3つが疼痛を感知しやすい侵害受容器でもあります。

 

 

これらの組織に問題を与える、五十肩の病態とは

 

  • 肩関節の前上方にある組織の損傷・癒着・瘢痕化
  • 第2肩関節の滑動を中心とする機能障害
  • さらに肩甲胸郭関節・体幹の肢位や可動性などの肩甲上腕関節の補捉機能の障害

 

が助長因子となります。

 

これらの3つに

ついて説明します。

 

肩関節の前上方にある組織の損傷・癒着・瘢痕化について

肩関節の上方支持組織や第2肩関節については以前にまとめました。

 

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解剖学また復習していきます。

 

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肩関節の前上方部の組織(腱板疎部、上腕二頭筋長頭腱など)は上腕骨頭が押し出されることで物理的な刺激を受けます。


これが日常生活の中で繰り返し続くと、組織の損傷が起こります。


炎症の影響により、深層の筋は攣縮するため、関節可動域は制限されていきます。


疼痛期は特に安静肢位をうまく取り入れていくことで、炎症の緩解を図ることが重要になります。

 

拘縮期では、肉芽組織といった組織同士を接着させる組織が出現し、損傷した組織の周辺が癒着や瘢痕化を形成することで組織が修復していきます。

基本的には、肉芽組織は壊れた組織と正常な組織を巻き込みながら一塊となり、癒着や瘢痕化します。

同時に炎症により晴れていた関節包は、この時期では飛行家してくるため、肩関節の拘縮はより助長されることなります。

 

 

第2肩関節の障害の病態について

 

肩関節後下方の組織が適切に伸びずに、上腕骨頭を前上方に押し出してしまうと、大結節は烏口肩峰アーチに押し付けられて摩擦を引き起こします。

この結果、大結節と烏口肩峰アーチの間にある肩峰下滑液包や腱板が損傷します。

これが繰り返されると摩擦に伴うクリック音を認めるようになり、やがて強い痛みを伴います。

 

拘縮期では、肩峰下滑液包や腱板に肉芽組織が侵入し、癒着や瘢痕化が形成された結果、結滞動作を中心に回旋可動域が制限される。夜間痛は続いてしまう状況です。

 

 

肩甲胸郭関節・体幹の肢位や可動性について

胸椎が後湾し、肩甲骨が外転・下方回旋となることが多くなります。

加齢や作業姿勢などが影響し、脊柱の生理的前湾姿勢が定着すると、肩甲上腕リズムが崩れ、肩関節を挙上すると前上方部の組織に刺激が加わってしまいます。

肩甲胸郭関節の機能改善が不十分だと可動域の最終域まで拡大しないこともある。

 

 

以上の3つを考えて治療にあたる必要があります。

 

 

五十肩の病態について

今回は、五十肩についてアウトプットしていきます。

 

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五十肩とは?

 

五十肩は中高年以降に極めて多い疾患です。一般の人でも必ず遭遇する疾患だと思います。肩の痛みを基盤として、男女問わず、40~50代で好発する病態です。さらに関節可動域制限を認めます。

 

定義上は6か月~2年以内に自然治癒する疾患で、症状が治まることで初めて五十肩だと診断されます。

 

そして、五十肩は明確に診断することは難しい老化現象の一つとされ、進行性の疾患であるにも関わらず、自然治癒することが前提とされている変わった疾患です。

 

また、糖尿病患者は、糖尿病者でない人と比べると発生率がかなり高いことも報告されている。さらに中高年で好発するといいながら、20から30代にも発生することが不思議な疾患ですが、年齢が若いほど速く回復する傾向があります。

 

五十肩の診断に用いる評価とは?

  1. 画像所見
  2. 身体機能

を簡単に説明していきます。

 

1.画像所見

  • レントゲンで明らかな異常所見を認めることが少ないが、大結節部の骨硬化や肩峰の骨棘が認められることがあります。
  • 超音波診断では、肩峰下滑液包、腱板、上腕二頭筋長頭腱などの病態を観察するのに適しています。
  • MRIは、軟部組織や骨組織の損傷程度を観察するのに適しています。特に肩峰直下や骨の深層情報まで捉えることができます。

 

2.身体機能

  • 肩関節の可動域:制限方向や角度を観察し、硬くなっている組織を考察します。
  • 筋緊張:筋出力の弱い方向と程度を観察し、そこから弱化している筋肉を考察します。
  • 疼痛部位や質(鈍痛や鋭痛など):圧痛のある組織を考察します。

 

※評価する際は、必ず健側と患側で比較することで違いがわかります。

 

五十肩の特徴として、病期によって症状が異なります。

 

病期分類

  1. 疼痛期
  2. 拘縮期
  3. 緩解期

があります。

 

 

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1.疼痛期

  • 炎症により、腱板や肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱といった肩関節周辺の組織に腫脹が認められ、組織損傷を伴っていることが多々あります。また、関節包にも炎症が波及します。
  • 無理に肩関節の挙上や回旋運動を行うと炎症を悪化させる可能性があります。
  • むやみに関節を動かさずに安静を心掛ける必要があります。

 

2.拘縮期

  • 腫脹が軽減し、損傷した組織が回復する時期です。
  • 腱板が癒着しやすく、腱板と肩峰下滑液包の滑走性が失われることが多い。また関節包が飛行するのもこの時期です。
  • 拘縮期においてもむやみに関節を動かすと炎症が再燃したり、筋の部分断裂が生じたりする可能性があります。

 

3.緩解期

  • 関節可動域制限が徐々に改善してくる時期となります。
  • 損傷した組織が修復される時期(元通りになるわけではない)であるため、腱板や肩峰下滑液包の滑り、関節包の広がりが本来の機能を取り戻していきます。
  • 安静時痛はほぼ消失します。

 

これらのポイントを覚えて介入する必要があります。