脳卒中の予後予測で運動機能の続きです。
前回は包括的なものでしたが、今回は歩行機能というテーマでいきたいと思います。
今回は、
脳卒中機能評価・予後予測マニュアル:道免和久
という本を参考しています。
7年前ぐらいに見ても全然理解できませんでしたが、これは今見ればとてもわかりやすいです。というより、これを研究した人はかなりすごいです。今でもこのエビデンスが変わらないということは、やはりこれはとても価値のある研究だと思われます。
簡単にまとめたものです。
座位保持がいつ、どの程度できるれば歩けるか?という問いに答えてくれるものです。いわゆる端座位がとれるかどうかにかかっているということです。
また麻痺側下肢の運動機能がどの程度かということです。
さらに座位、立位・ステージ別に示したものが下記になります。
一般的には、作業療法士でもこの評価はできるので、あまり歩行させたことがないという新人・若手でも概ねイメージはつけれると思います。
そして、SIASからでも評価ができるみたいです。
これも参考になります。
脳卒中患者の退院時歩行自立のための入棟時SIAS カットオフ値の算出
この研究によると
・回リハ病棟退院時の歩行自立(補装具あり)・非自立を予測するためには
カットオフ値が、
初期評価時のSIAS 総点で59 点が必要です。
細かく分けると
SIAS-L/E (運動機能下肢)で9/15点
SIAS-Trunk (体幹機能)で3/6 点
SIAS-S (感覚機能)で9/12 点
という感覚機能も追加されています。
自分のイメージ的には、SIASでを予後に使うというイメージはなかったので、とても参考になりました。
SAISという評価はかなり有用で、上肢にも使えるということです。今回はお話しませんが、きちんと評価をすればかなり優秀な評価ということです。
歩行機能の予測に必要なことは
①座位・立位の機能
②体幹機能
③麻痺側下肢の機能
④感覚機能
ということになります。
今後予後予測をする方は、参考にしてみて下さい。