筋攣縮、筋短縮の生理的機序

今回は、筋攣縮と筋短縮の生理的機序について説明したいと思います。

 

  • 筋攣縮とは?

①筋攣縮(spasm)とは、筋が痙攣した状態。同時に血管のスパズムも伴っています。

 

筋攣縮とは、意識せずとも筋収縮が起こっている状態です。

 

常に筋収縮をしていることで、筋の内圧が上がり、症状が出現してしまうことということになります。

 

ここでいう症状とは、痛みとなります。

 

その痛み刺激が、

 

②関節周囲組織に何らかの物理的、化学的刺激を受けることで、侵害受容器が反応し、その信号が脊髄に入ります。

 

このルートは2つあって、

 

脳へ伝達される経路

脊髄の後角でシナプスを介し、外側脊髄視床路を上行して視床でシナプスを介した後、大脳の体性感覚野に投射され疼痛を認知します。

 

脊髄反射を介して末梢へと伝達される経路

脊髄反射を形成し、前角細胞のα運動繊維と交感神経に関与する筋節繊維には脊髄反射が強く関連しています。

 

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さらに

 

長期に及ぶ筋、血管の攣縮は、局所循環を停滞させます。

 

また筋細胞は虚血に伴い組織が変性し、その過程において生じる発痛関連物質が感作し疼痛や運動制限をきたします。

 

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これらの脊髄反射が反復して生じることで、負のスパイラルを形成する。

 

⇒関節拘縮を助長する

 

ということになります。

 

 

  • 筋短縮とは?

筋短縮とは、簡単にいうと筋の伸張性が欠如した状態です。

 

その機序を大きく分けると2つになります。

 

①筋実質部の伸展性の低下

筋繊維を構成する基本単位である筋節が減少することで生じます。筋を伸ばすと、太いフィラメントに対して隣り合う細いフィラメントが引き離され、筋節間が延長していきます。

 

一方で長軸上に連なる筋節の数が多くなるほど、筋繊維の伸展性は増加することになる。

 

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⇒筋実質部による伸展性の低下とは、筋節数の減少によって伸展に対する抵抗が増す状態。

 

②筋膜の繊維化

関節の不動や運動不足によって発症します。筋膜や筋内膜のコラーゲン分子の末端に架橋結合が形成され、コラーゲン含有量の増加とともに、組織自体の硬度が高くなります(分子間架橋)。

 

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⇒筋膜の繊維化とは、コラーゲン分子が架橋結合によって伸展に対する抵抗が増す状態。

 

筋攣縮と筋短縮では病態そのものが違うことが見えました。

 

そのため、運動療法やアプローチを行う上では生理的機序からみても、使い分ける必要があることがわかりますね。