安定した関節運動・不安定な関節運動とは?

前回でまとめていた続きになります。

 

安定した関節運動・不安定な関節運動の基本的な概念について説明します。

 

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安定した関節運動とは?

 

安定した関節からは、関節周辺部の疼痛を認めません。その一方で、安定性が損なわれると、関節周辺部に疼痛を認めます。

 

また前回も述べましたが、筋力や筋出力を高めるためには、一つの要素して安定した関節が必要になります。

 

これは運動器リハビリテーションの基本概念であり、関節の病態を把握する上で非常に重要です。

 

 

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  • 安定した関節の概念とは?

・正常な関節

関節本来の理想的な姿。治療者として目指すべき関節を意味します。

疼痛・可動域制限・筋力低下がなく、あらゆる方向にスムースに運動が行える関節のことです。

 

・不動な関節

関節固定術や変形性関節症の末期などの関節本来の運動が全くできなくなった状態です。

関節には、骨格を連結して関節運動を生じさせるための軸が存在する

⇒軸を失った関節は不動となり、力学的な負荷がその関節から生じなくなる

⇒疼痛は消失するが関節機能も同時に損失する

 

またその関節を跨ぐ単関節は、筋本来の伸張や収縮する機能を失うため、廃用性の筋委縮が進行する。

 

  • 不安定な関節

・不安定症を伴った関節

不安定な関節には、形態的な破綻や器質的な緩みがあります。

 

関節窩の骨欠損、Hill-Sachs lesion、関節包コラーゲン移乗、関節包の容量増大や弛緩などにより、関節内圧を陰圧に保てず、求心位が保持できない関節です。

 

つまり、関節支持機構の破綻により、支点がうまく定まらず、骨頭は軌道から逸脱するため不安定症が発生します。

 

代表的な疾患として、外傷性の亜脱臼・習慣性肩関節脱臼・loose shoulderなどがあります。

 

この関節は、臨床所見と画像所見を組み合わせた判断により的確に病態を捉え、目的に合った治療を実施することが重要です。

 

・拘縮を伴った関節

拘縮の存在により生理的軌道から逸脱します。

 

伸張性を欠如あるいは滑走障害おある組織が、硬度バランスの差異を生み出すことで、骨頭を軌道内に留めておけず、求心位が保持できない関節です。

 

つまり、関節運動に伴い、硬度の高い組織側から低い組織側に骨頭の軌道が逸脱し、不安定症が発症します。

 

各組織の伸張性・滑走性と運動時痛の関連から拘縮部位を推測したら、必ずその組織のストレッチングあるいは癒着を剥離を試みます。

 

この操作により、運動時痛が消失あるいは軽減すれば、大書した組織を治療対象として抽出し、そのまま治療を発展させていく必要があります。

 

 

これらの分類だけでもきちんと知っておくことで、アプローチが変わることを覚えておく必要があります。