今回は、小胸筋についてまとめていきたいと思います。
最近よく肩についてまとめていますが、ふと思いました。
小胸筋の役割ってなんだろう?
他の筋はなんとなくアプローチすることは多いイメージですが、肩のリハビリテーションを行う上で、なんとなく小胸筋というものは抜けがちな考えです。
そのため、一度きちんと整理をしてみようと思います。
小胸筋の解剖学上の知識
- 起始:第3-5肋骨
- 停止:烏口突起
- 作用:肩甲骨を引き下げ、その下角を後内側に引く。関節窩を下方に回す。呼吸を助ける。
- 神経支配:内側・外側胸筋神経(C6~T1)
機能解剖上の作用は、肩甲骨の下制と前傾であり、さらに菱形筋、肩甲挙筋との協調運動により、肩甲骨の下方回旋運動に関与します。
肩甲骨が固定された場合には、肋骨が挙上に関与します。
そのため、場合によっては、肋骨の動きが制限される可能性があるということです。
また筋膜の関係性で見ていくと、
小胸筋と鎖骨筋筋膜は、上を覆う大胸筋と分離して伸長させるのは難しいみたいです。
そのため、鎖骨胸筋筋膜の過剰な短縮は、呼吸パターンや頚部と頭部の位置はもちろん上向きに手を伸ばす際の型と上肢の機能に悪影響を及ぼす可能性があります。
小胸筋と鎖骨胸筋筋膜の機能的な短縮が示される場面(3つ)が挙げられます。
- 肩と肋骨が密接に協同して動き、吸息時に上部肋骨の動きが制限される。
- 上方にリーチするための上肢の屈曲や肩の挙上に問題がある場合
- 肩甲骨が前傾に傾く、あるいは肩を丸くする
解剖をみても、小胸筋は肩甲骨の動きはもちろんだが、肋骨に関与するということが改めてわかりました。
また、関係性を考えると必ず姿勢に影響していくだろうと予想もつきます。
ということは、猫背のままいるとこの筋は短縮を起こす可能性をもっているということです。
現在テレワークやパソコンを操作する機会も増えた方は、猫背になりますよね。
なので、姿勢を一時的でも矯正する作業やストレッチは必要になるということですね。
小胸筋は地味で目立たない筋ですが、思っているよりも重要な筋でした。小胸筋も含めてきちんと評価の対象とすることで、肩甲骨周囲のトラブルや痛みを改善することができるかと思われます。