今回は、筋・筋膜性の腰痛についてまとめていきます。
前回でも腰痛について述べています。
筋・筋膜性の腰痛3つの病態は、
- 筋・筋膜性腰痛
- 脊柱起立筋付着部症
- 体幹の肉離れ
いずれも体幹浅層筋群へ過度な負荷によって発症します。
◎筋膜の例を下図に示します。
ある筋に局所的な損傷による炎症や不活動が生じると、筋は委縮 ➡ fascia周囲は繊維化 ➡ 運動機能の低下を招きます。
このような繊維化したfasciaに生じる圧痛点や硬結はMTPと呼ばれ腰痛や肩こりの原因となるため、注意しなければなりません。
このような症候群をMPS(myofascial pain syndrome)と呼称されています。
MPSとしては、
関連痛として、deep fasciaを介してより遠位部の疼痛として認識されることがあります。
神経症状や神経圧迫画像所見を認めないにもかかわらず、腰臀部が下肢へ放散する症候の病態の1つとされています。
◎筋付着部とは、
脊柱起立筋などの体幹浅層にあり、複数の関節をまたぐ多関節筋が働き、姿勢保持に伴う遠心性収縮を繰り返すことで、腸骨稜の筋付着に継続して牽引力が作用します。
好発部位は、腸肋筋が腸骨稜に付着する部位で同部に圧痛を認める場合に疑います。
脊柱起立筋に過度な負荷を加えるアスリートに生じやすいといわれていますが、特に脊柱後弯変形を呈した高齢者においても、立位姿勢を保つために脊柱起立筋に牽引力が加わり続けるために障害を呈しやすいといわれています。
◎体幹の肉離れとは、
肉離れと聞くと、下肢のイメージを持つことが多いのではないでしょうか?
それは体幹でも生じます。
遠心性の収縮によって、筋・筋膜に強大な伸長力が作用すると筋と筋膜の境界で損傷が生じ、筋損傷(肉離れ)が生じるといわれいます。
スポーツ障害として発症することが多く、ランニング時のハムストリングスの遠心性の収縮によって好発する。
野球やり投げ、カヌーといった急激に体幹を回旋させる競技種目の内外腹斜筋で生じることがあります。
体操選手は腹直筋の肉離れ、テニスは腰方形筋の肉離れといった症例が存在します。
- 筋・筋膜性腰痛の評価は?
・脊柱所見
脊柱の所見は、特異的なものはなく、前屈をしていく途中や、立ち上がり時などの動作開始時に腰痛が再現される。
・圧痛の有無
・画像所見
・その他(prone hip extension test)
を確認していきます。
その他の方法としては以下に示します。
筋・筋膜性の腰痛でもこのように種類があることが分かります。
これを一つ一つ評価をして、病態を突き止めていくことが、解決の糸口になるかと思います。