今回は、五十肩についてアウトプットしていきます。
五十肩とは?
五十肩は中高年以降に極めて多い疾患です。一般の人でも必ず遭遇する疾患だと思います。肩の痛みを基盤として、男女問わず、40~50代で好発する病態です。さらに関節可動域制限を認めます。
定義上は6か月~2年以内に自然治癒する疾患で、症状が治まることで初めて五十肩だと診断されます。
そして、五十肩は明確に診断することは難しい老化現象の一つとされ、進行性の疾患であるにも関わらず、自然治癒することが前提とされている変わった疾患です。
また、糖尿病患者は、糖尿病者でない人と比べると発生率がかなり高いことも報告されている。さらに中高年で好発するといいながら、20から30代にも発生することが不思議な疾患ですが、年齢が若いほど速く回復する傾向があります。
五十肩の診断に用いる評価とは?
- 画像所見
- 身体機能
を簡単に説明していきます。
1.画像所見
- レントゲンで明らかな異常所見を認めることが少ないが、大結節部の骨硬化や肩峰の骨棘が認められることがあります。
- 超音波診断では、肩峰下滑液包、腱板、上腕二頭筋長頭腱などの病態を観察するのに適しています。
- MRIは、軟部組織や骨組織の損傷程度を観察するのに適しています。特に肩峰直下や骨の深層情報まで捉えることができます。
2.身体機能
- 肩関節の可動域:制限方向や角度を観察し、硬くなっている組織を考察します。
- 筋緊張:筋出力の弱い方向と程度を観察し、そこから弱化している筋肉を考察します。
- 疼痛部位や質(鈍痛や鋭痛など):圧痛のある組織を考察します。
※評価する際は、必ず健側と患側で比較することで違いがわかります。
五十肩の特徴として、病期によって症状が異なります。
病期分類
- 疼痛期
- 拘縮期
- 緩解期
があります。
1.疼痛期
- 炎症により、腱板や肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱といった肩関節周辺の組織に腫脹が認められ、組織損傷を伴っていることが多々あります。また、関節包にも炎症が波及します。
- 無理に肩関節の挙上や回旋運動を行うと炎症を悪化させる可能性があります。
- むやみに関節を動かさずに安静を心掛ける必要があります。
2.拘縮期
- 腫脹が軽減し、損傷した組織が回復する時期です。
- 腱板が癒着しやすく、腱板と肩峰下滑液包の滑走性が失われることが多い。また関節包が飛行するのもこの時期です。
- 拘縮期においてもむやみに関節を動かすと炎症が再燃したり、筋の部分断裂が生じたりする可能性があります。
3.緩解期
- 関節可動域制限が徐々に改善してくる時期となります。
- 損傷した組織が修復される時期(元通りになるわけではない)であるため、腱板や肩峰下滑液包の滑り、関節包の広がりが本来の機能を取り戻していきます。
- 安静時痛はほぼ消失します。
これらのポイントを覚えて介入する必要があります。