五十肩の病態の機序とは?

今回は病態の機序について、まとめていきたいと思います。

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まず病態のケースで共通するのは、肩関節前上方にある組織の損傷および第2肩関節の障害です。

 

 

この関節周辺の滑膜組織にはほぼ全例が炎症をしています。

また滑膜炎が肩峰下滑液包・腱板・腱板疎部・上腕二頭筋長頭腱などに波及すると、自発痛、疼痛性運動障害、夜間痛発症の引き金となります。

 

つまり、五十肩における痛みの組織とは、

  • 肩峰下滑液包
  • 腱板
  • 腱板疎部

 

などの上方支持組織に癒着・瘢痕化を伴った結果だと思われます。

 

上記の3つが疼痛を感知しやすい侵害受容器でもあります。

 

 

これらの組織に問題を与える、五十肩の病態とは

 

  • 肩関節の前上方にある組織の損傷・癒着・瘢痕化
  • 第2肩関節の滑動を中心とする機能障害
  • さらに肩甲胸郭関節・体幹の肢位や可動性などの肩甲上腕関節の補捉機能の障害

 

が助長因子となります。

 

これらの3つに

ついて説明します。

 

肩関節の前上方にある組織の損傷・癒着・瘢痕化について

肩関節の上方支持組織や第2肩関節については以前にまとめました。

 

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解剖学また復習していきます。

 

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肩関節の前上方部の組織(腱板疎部、上腕二頭筋長頭腱など)は上腕骨頭が押し出されることで物理的な刺激を受けます。


これが日常生活の中で繰り返し続くと、組織の損傷が起こります。


炎症の影響により、深層の筋は攣縮するため、関節可動域は制限されていきます。


疼痛期は特に安静肢位をうまく取り入れていくことで、炎症の緩解を図ることが重要になります。

 

拘縮期では、肉芽組織といった組織同士を接着させる組織が出現し、損傷した組織の周辺が癒着や瘢痕化を形成することで組織が修復していきます。

基本的には、肉芽組織は壊れた組織と正常な組織を巻き込みながら一塊となり、癒着や瘢痕化します。

同時に炎症により晴れていた関節包は、この時期では飛行家してくるため、肩関節の拘縮はより助長されることなります。

 

 

第2肩関節の障害の病態について

 

肩関節後下方の組織が適切に伸びずに、上腕骨頭を前上方に押し出してしまうと、大結節は烏口肩峰アーチに押し付けられて摩擦を引き起こします。

この結果、大結節と烏口肩峰アーチの間にある肩峰下滑液包や腱板が損傷します。

これが繰り返されると摩擦に伴うクリック音を認めるようになり、やがて強い痛みを伴います。

 

拘縮期では、肩峰下滑液包や腱板に肉芽組織が侵入し、癒着や瘢痕化が形成された結果、結滞動作を中心に回旋可動域が制限される。夜間痛は続いてしまう状況です。

 

 

肩甲胸郭関節・体幹の肢位や可動性について

胸椎が後湾し、肩甲骨が外転・下方回旋となることが多くなります。

加齢や作業姿勢などが影響し、脊柱の生理的前湾姿勢が定着すると、肩甲上腕リズムが崩れ、肩関節を挙上すると前上方部の組織に刺激が加わってしまいます。

肩甲胸郭関節の機能改善が不十分だと可動域の最終域まで拡大しないこともある。

 

 

以上の3つを考えて治療にあたる必要があります。